中華人民共和国2日目

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東南アジアから台湾方面を旅行するときに、僕が楽しみにしているのが果物です。そのためナイフとスプーンは僕の旅の必携道具となっています。
昨夕、厦門を歩いていて果物屋で珍しい果物を見つけたので、38元(570円)と微妙に値段が高かったにもかかわらず買いました。台湾風梨釈迦という名前で売られていましたが、これってたぶんバンレイシです。10数年前に台湾を旅行したときに一度食べたことがあり、美味しかった記憶があるので。
今朝、食べてみました。味は洋梨に似ています。洋梨をもっとクリーミーに、もっと甘くした味わいで、グッドテイストでした。日本の果物屋でこれを見かけることがないのが残念です。

2020.01.01追記 この果物はバンレイシではなく「アテモヤ」という名前だそうです。バンレイシと他の果物とを掛け合わせて作られた品種みたいです。

さて。今日は福建省の誇る世界遺産のひとつへ足を運びました。
福建土楼です。
2008年に福建土楼世界遺産として認定された当時、テレビの世界遺産番組でここを紹介していて、いつかは訪れてみたい世界遺産だと夫婦で話し合ったことがあります。11年経った今、ようやく訪れることができました。
交通の不便な場所にあるため、現地ツアーを手配し、参加しました。
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まず訪れたのが承啓楼です。
福建土楼の象徴とも言える存在で、ここを抜きに福建土楼は語れません。
1709年に80年の歳月をかけて建設されたとのこと。合計で400室という巨大な要塞です。
3重構造+中心の円楼はまるで迷宮でした。フォルムといい、彩りといい、確かにこれは凄い。あまりにも凄くてまったく言葉になりません。
次に訪れたのが塔下村という長閑な村です。世界遺産とは関係ありません。
村から出世した人物が現れると、1本ずつ龍をあしらった塔が建てられる風習があるとのことで、この塔が印象的でした。
この村で僕達は昼食タイムとなりました。小川の流れる中国農村風景を堪能しながら、中華料理を食べられます。230元で炒飯の大盛り、川魚のフライを炒めた料理、牛肉をベースにした佃煮、揚げ出し豆腐など5品と烏龍茶を注文しました。日本人の舌にほどよい味わいでたっぷりと食事を楽しめました。
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そして世界遺産の裕昌楼を訪れました。
700年の歴史を誇り、現存するものの中では最古の土楼だそうです。
他の土楼と異なり、10元/人を支払えば、4階まで登らせてもらえます。4階からの土楼内部の眺望は格別でした。なぜか上階まで登っている観光客はほとんどいませんでしたが、もったいないとしか言いようがありません。
またここでは鉄観音茶を勧められました。土楼の部屋の片隅にバケツ程度の小さな井戸があり、そこから井戸水を汲んでお茶を煎れてくれます。とても不思議なパフォーマンスに感動し、つい勧められるままに鉄観音茶を買いました。
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最後に訪れたのが田螺坑土楼群(歩雲楼、和昌楼、振昌楼、瑞雲楼、文昌楼)です。ここも世界遺産の構成要素のひとつです。
ひとつひとつの土楼は物足りません。すでに見てきた承啓楼と裕昌楼が凄過ぎて、明らかに見劣りします。
しかし山の頂上に展望台があり、そこから5つの土楼を見下ろす絶景が逸品でした。文字どおり絵にしたくなる景色でした。
今回3ヶ所の土楼(土楼群)を周遊しましたが、3ヶ所がそれぞれ異なる特徴を有しており、それらをすべて周ることができたので、満足度は非常に高いです。僕はこれまで数多くの中国の世界遺産を訪ねました(ここが13ヶ所目?)が、福建土楼は間違いなくトップクラスだと僕は思います。
同行した家族にも喜んでもらえました。我が家では今回は家族全員が揃う最後の旅行という位置づけでした。最後の旅行を飾るに相応しい濃密なコースでした。
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中山路を徘徊し、夕食は海鮮麺を食べました。タコやエビ、アサリなどたっぷり入った薄味のラーメンでした。昨日の牛肉麺よりこっちのほうが遥かに日本人の口には合います。
帰りにまたひとつ奇妙な果物を買いました。「火参果」というのが中国名で、いがいがの凄い果物です。日本語名だとわかりません。僕はこの果物を見たのもはじめてです。
味はパッションフルーツをもっと甘くしたような味です。果肉がドロドロで種が多いため、あまり食べられるところがありません。不味くはありませんが、好んで食べるようなものではありませんでした。

2020.01.01追記 アメフラシのような見てくれのこの果物は「キワノ」という種類だそうです。

とにかく今日の旅は楽しかったです。