ダイオキシン類関係公害防止管理者


ダイオキシン類関係公害防止管理者の試験合格報告です。

<受験の経緯>

昨年の4月に勤務先にて資格部が発足し、これに参加したのが発端。僕自身は国家資格コレクターとして活動を始めました。
国家資格、中でも技術系の資格は自分の知能を客観的に測る物差しとして極めて有効だと思うので、これに狙いを絞って活動しています。
ところで、国家資格は色々あれど、なぜダイオキシン類関係公害防止管理者を?
キャッチーな資格だから。なにしろダイオキシン類ですから。
実は20年くらい前からこの資格に憧れていました。意外に難易度が高く、おいそれと取得できる資格ではないところもまた魅力でした。ただ20年前って色々な意味で僕に余裕がなく、それどころではなくて。
落ち着いた今だからこそチャレンジする人生最後のチャンスと判断しました。
ちなみに、僕は過去に一度も公害防止管理者を受験したことがありません。大気関係もしくは水質関係の公害防止管理者の資格を取得した後にダイオキシン類関係公害防止管理者にチャレンジするのがスタンダードみたいで、僕のようにダイオキシン類関係からスタートするのは稀有な例らしく、余計に狙ってみたくなりました。

<試験概要>

試験科目は3科目。「公害総論」「ダイオキシン類概論」「ダイオキシン類特論」。5肢択一方式です。合格ラインはすべての科目で60点。ただし科目合格制度があります。年に1度しか開催されない試験のため、科目合格ではなく一発で仕留めたいところです。
なお今年から受験料が大幅に(8,700円から12,300円へ)値上げされました(涙)。
ダイオキシン類関係公害防止管理者の受験者は他の資格の受験者と比較して圧倒的に少なく、そのために勉強するにも教材が限られてしまいます。受験者が少ないと教材を作っても儲からないため、業者が関わりたがらないのです。これがこの試験の難易度をぐっと引き上げています。技術系の資格あるあるですよね(涙)。
ちなみにダイオキシン類関係公害防止管理者の一発合格者(科目免除なしの合格者)の割合は例年15%程度です。重箱の隅を突くような問題が多く、生半可な勉強では太刀打ちできない試験です。

<試験対策>

ダイオキシン類関係公害防止管理者の場合、現在入手可能な市販の教材は2つしかありません。公式の過去問題集と公式の参考書(通称:電話帳)です。インターネットでは「こんな教材もある」などと情報が錯綜していますが、他の教材はすべて絶版で、すでに中古でも手に入りません。
僕は電話帳を使いませんでした。電話帳には試験に関係ある事項と関係ない事項とがごっちゃに記載され、しかも分厚いため、試験勉強には適さないと判断しました。

結局、以下の教材を利用しました。

1.産業環境管理協会「2018~2022年度公害防止管理者等国家試験正解とヒントダイオキシン類関係」

過去問題集です。インプット学習なしで、これを繰り返し解きました。
もっとも過去問題集をただ解くだけでは理解が追いつきません。攻略するためには、ノート(EXCEL)への整理が不可欠です。「ダイオキシン類特論」は特に。

2.産業環境管理協会の公害防止管理者通信教育(科目別(大気・水質共通)公害総論【2023年版】)
「公害総論」は公式の通信教育を利用しました。
同協会の通信教育には大気のコースと水質のコースしかなく、ダイオキシン類のコースは用意されていません。しかし「公害総論」は全コース共通科目なので、この科目のみならば受講できます。
公害防止管理者の通信教育に関する評判はほとんど見当たらず、ここでお金をけちってもしょうがないと思いました。有用であれば、今後もしかしたら他の公害防止管理者(大気関係、水質関係)を受験したくなったとき、再び利用を検討できますし。
1科目なら1万円程度です。
しかし実際にはまったく役に立ちませんでした。テキストも模擬試験も残念な出来でした。「この教材でポイントを押さえれば、合格基準といわれる60%はクリアできる内容になっています」との説明でしたが、この教材のみでの合格はまず無理です。

3.過去問題
過去問題を掲載してくれているウェブサイトがあるため、これを利用してとにかく過去問題を解きました。こういったサイトには解説こそありませんが、ないものねだりをしてもしょうがないので。
結果的に僕は過去13年分の問題を解き、本試験に備えました。解くたびにくだんのノートへの情報更新を続け、このノートが参考書の代用品として効果的でした。

甲種危険物取扱者の試験が終わった5月末から勉強を開始し、10/1に受験したので、学習期間は4ヶ月少々です。今回は結構気合を入れて勉強しました。

<試験当日>

試験会場は日本大学の水道橋校舎でした。建物しかない専門学校みたいな雰囲気のキャンパスでした。
受験してみて気になったポイントとしては、
・試験中の途中退室はできない。
・電卓の使用が可能。
・問題用紙を持ち帰りできる。

「公害総論」と「ダイオキシン類概論」はとにかく難しく感じられました。どちらも初見の問題が多い印象でした。過去に出題されたことのある問題(の類似問題)を確実に正解し、なおかつ初見の問題に対してもそれなりに正解することを求められるレベル感でした。それでも最後まで気持ちを切らさず、試験に臨みました。
インターネットでも「公害総論激ムズ」「公害総論かなりむずかったようだね」「公害総論がウンコ過ぎんかこれ?」「なんでここまで難化させるんかね?」「公害総論、来年合格できる気がしない」「ダイオキシン概論が難しすぎて…」「ダイオキシン概論傾向変わり過ぎやろ」みたいな悲鳴が虚しく響いていました。

<試験結果>

試験の翌日に公式サイトで模範解答が発表されます。すぐさま自己採点したところ、
 公害総論:     15問中11問正解=73% ※
 ダイオキシン類概論:15問中10問正解=67%
 ダイオキシン類特論:25問中20問正解=80%
でした。
よし、キタッ!
実に爽快な気分です。なにしろこの4ヶ月間の努力が凝縮されているわけですから。受験を見送った20年前のあの日の自分に「取ったよ」と報告したいほど。
ちなみに「公害総論」は今回出題ミスがあったらしく、僕の答案も上記(※)からさらに加点されています。
そして本日公式サイトで合格発表があり、僕の受験番号を確認しました。
これで来年以降、もしも他の公害防止管理者を受験するのであれば「公害総論」を科目免除できます。鬼門「公害総論」が免除されるのは魅力です。となれば今後、他の公害防止管理者を順次狙うのでしょうね、僕のことだからきっと。
年甲斐もなく夢が広がります。僕のこの年齢(58歳)でなにかに本気で挑めるって素敵なことです。

保有国家資格>

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