中華人民共和国4日目

昨日はWiFiの接続できるような環境下ではなかったため、まとめて書きます。

中華人民共和国3日目】
厦門にきて感じたことは、外国人の姿をまったく見かけないことです。世界遺産と言えば、最近はどこにいっても外国人の観光客でごった返しているというのに。どうやらここは観光地として外国人にあまり認知されていないようです。
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今朝はフェリーでコロンス島へ渡りました。コロンス島もまた世界遺産に認定されています。
フェリーの乗車券は外国人には取りにくいことで知られていますが、ホテルのフロントに頼んであらかじめ予約してもらっていたため、僕達は難なくコロンス島へ渡れました。
港に着くと、島内一の名所である日光岩を目指しました。日光岩とは小高い山の上に置かれている巨大な岩です。とりあえず岩の頂上まで登りました。頂上からの眺望は決して悪くありませんが、ただそれだけのことでした。
運が良かったのか悪かったのか、日光岩を降りたあたりで、雨に降られました。日光岩は途中の階段が滑りやすく急勾配のため、さすがに雨の中では登れません。
結局この日、厦門で雨がやむことはありませんでした。僕達は早々にコロンス島の散策を途中で打ち切る方針に切り換えました。島内の見所と言えば他に中国式の庭園ですが、安くもない入園料を支払って傘を差しながら拝観するような場所ではないと判断しました。
ところでコロンス島には20世紀初頭に建てられたたくさんの洋館が点在しています。南京条約以降、租界地としてヨーロッパや日本が進出した歴史的経緯があるためです。これが世界遺産としてのコロンス島の魅力のはずですが、残念なことに観光客に対して案内不足だと言わざるを得ません。「重要文化財」のプレートこそ各戸に掲げられているものの、それぞれがどのような用途で利用されていた建物なのかが一切わからず、消化不良でしかありませんでした。
もともとコロンス島には期待していませんでしたが、思ったよりつまらない場所でした。
午後にはフェリーで厦門島まで戻りました。昼食はフードコートで海鮮沙茶麺を食べました。辛めのスープにエビやアサリの他、カキまで入ったラーメンです。悪くはないけれど、所詮はフードコートレベルの味です。
夕刻に火車駅までいき、厦門とはしばらくおさらばです。いわゆる新幹線に乗って福建省を縦断しました。
列車は目的地である南平市駅に20時に到着。予想を裏切ってここは晴れていました!
ロータリー以外になにもない駅でした。
タクシーが駅前で容易に見つかり、夕食を後回しにして僕達はとりあえず宿舎へ急ぐことにしました。駅から遠く、少し辺鄙な場所にある小さな宿舎だったため、必死で探し回ってくれたタクシーの運転手には感謝です。
僕の手配した宿舎は1,000円/人泊の安宿です。とても人情味のあるお兄さんが経営する安宿でした。
宿舎のお兄さんは僕達が夕飯をまだ食べていないことを知ると、近隣で唯一営業しているレストランまでわざわざ案内してくれました。奥まった場所にあるあたかも倉庫にしか見えないレストランでした。宿舎のお兄さんがレストランのおじさんとの間を上手く取り持ってくれて、4人分150元で凄いご馳走にありつけました。メイン料理として大きな川魚(日本では聞いたことがない名前の種類)を1匹水槽から釣ってきて牛肉やもやしと一緒にカレー味に調理してくれました。これはかなり美味かった! 筍の炒め物も、マッシュルームの炒め物も美味しかったです。寒空の下で食べたこの料理が貴重な旅の思い出になってくれそうです。
終わりよければすべてよし、を体感できた一日でした。
福建省の山奥まで自力で本当に辿り着けるのか?」が命題でしたが、リスクを背負ってやってきた甲斐がありました。就職活動に向けて培ってきた(き)の英語のリスニング能力がときどき役に立ってくれたことも、親としては嬉しかったです。

中華人民共和国4日目】
晴れ。昨日のコロンス島とはわけが違い、今日は是が非でも晴れて欲しかったので、晴天に安堵しました。
今日は武夷山にいきました。
武夷山もまた世界遺産です。しかも数少ない複合遺産のひとつです。
僕は50ヶ所を超える世界遺産を訪れていますが、複合遺産には1ヶ所、自然遺産にもたった1ヶ所にしかいったことがありません。家族みんなで自然系の世界遺産の凄みを改めて体感したいという思いで、今回の旅に武夷山を組み入れました。とても不便な場所なので、日本人がここを訪れるのは稀れみたいです。
僕は日本語の可能な現地ガイドを雇い、武夷山を訪れました。
変てこな形の岩山があちこちに聳え立っています。おそらく川の浸食作用によってできた光景と思われます。芸術的で見事です。
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武夷山の代名詞と言える天遊峰をはじめに訪れました。30分程度の時間をかけて急勾配の山を登り切ると、素敵な絶景が僕達を迎えてくれます。眼下に見える切り立った山々、それをぐるっと取り巻くように流れる川……。疲れ果てた後の絶景なので、感動もひとしおでした。
昼食は食堂が適当に4品ほどの料理、スープ、ご飯、落花生、烏龍茶を用意してくれました。ここでも大きな魚が1匹そのままの形で食卓に出てきて、楽しみながら食しました。
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午後は九曲渓下りを楽しみました。100分ほどの時間をかけて竹でできた筏に乗り、川下りを楽しみます。川の両側に次々と切り立った岩山の絶景が現れるので、心ゆくまで堪能しました。晴れていたので青空と岩山とのコントラストが素晴らしかったです。
筏に揺られながら(け)がぼそっと呟いた「あの頃は小さくてよくわからなかったから、今までにいった場所にもう一度いってみたい」の一言が心に残りました。家族みんなでいった海外の渡航先は台湾、トルコ&ギリシャカンボジア、中国(西安)で、今回の中国(厦門)が5回目です。僕は子育てにおいて家族旅行をなにより重視してきたつもりなので、そう言ってもらえると嬉しいし、彼の心の成長を感じました。
予定のコースを終えて1時間30分程度時間が余ったので「よかったら私の家にこないか?」とガイドに誘われました。ガイドは副業として武夷山のお膝元で中国茶の店を営んでいるらしいのです。僕はぜひと希望しました。
日本人にとって中国茶と言えば、福建省です。そして福建省の中で最も有名な中国茶の産地と言えば、実は武夷山なのです。武夷山にきて中国茶になにも触れずに帰るのはもったいないと思っていたので、渡りに船でした。
ガイドの店に案内されて、中国茶について講義を受けながら僕達は色々な品種を試飲させてもらいました。烏龍茶の産地として4つ(武夷山福建省南部、台湾、あともうひとつは忘れました)あり、武夷山の烏龍茶を武夷岩茶と言います。武夷岩茶には3つの品種があり、有名な大紅袍の他に、水仙、肉桂があるとのこと。これらすべてと紅茶も試飲させてもらいました。あまりにも贅沢な退屈凌ぎでした。お礼を兼ねて大紅袍をはじめ、いくつかの中国茶を買いました。
武夷山はとても素晴らしく、貴重な思い出を作ることができました。
夜、列車で移動して再び厦門に帰着しました。
明日はただ日本へ帰るのみとなります、たぶん。